
登録支援機関として活動するためには、一定の要件を満たし、設立申請を行う必要があります。本記事では、登録支援機関の要件や申請手続きを詳しく解説します。どのような専門知識や経験が必要なのか、申請書類や準備物は何が必要なのか、一つ一つのステップを丁寧に紹介します。
登録支援機関を目指す方や設立を検討している方にとって、スムーズな申請プロセスを進めるためのガイドとなるでしょう。
登録支援機関とは
登録支援機関とは、特定の資格やライセンスの申請手続きをサポートする機関です。申請要件の確認や書類の準備、手続きのアドバイスを提供し、スムーズな登録プロセスをサポートします。専門知識や経験を有し、信頼性や専門性を担保するための要件を満たすことが求められます。
登録支援機関の概要と役割や重要性を解説します。
登録支援機関の概要
登録支援機関は、新しいビザの枠組みである「特定技能」の在留資格において、外国人労働者の受け入れに必要な手続きやサポートを行う機関のことです。具体的には、外国人労働者の受け入れに必要な書類の作成や手続きの代行、日本語教育や職業訓練の提供、就労環境の整備などを行います。
登録支援機関は、法務省のウェブサイトで公開されており、企業は登録支援機関と連携して支援計画を実施することで、外国人労働者の受け入れに必要な手続きやサポートをスムーズに行えます。
登録支援機関は、企業が外国人労働者を受け入れる際に必要なサポートを行うため、企業にとっては非常に重要な存在です。また、登録支援機関は、外国人技能実習生の受け入れにおいて、または外国人留学生の就職支援においても活躍しています。
登録支援機関の役割
登録支援機関の役割は、特定技能1号の申請者に対して支援計画を作成し、実施することです。
特定技能1号は、外国人労働者のための就労資格であり、登録支援機関はその申請者を支援します。特定技能には、1号と2号が存在しますが、1号は「該当分野の相当程度の知識または経験を必要とする技能」を必要とする業務を行う外国人です。特定2号は1号よりさらに高度な技術が要されます。
具体的には、外国人労働者の受け入れに必要な書類の作成や手続きの代行、日本語教育や職業訓練の提供、就労環境の整備などを行います。また、登録支援機関は、企業が外国人労働者を受け入れる前に、企業の業種や規模、受け入れ予定の外国人労働者の人数や職種などを調査し、受け入れに必要な手続きやサポートを提供することもあります。
登録支援機関は、企業と外国人労働者の双方にとって、円滑な受け入れを実現するために欠かせない存在です。また、登録支援機関は、外国人技能実習生の受け入れにおいても、企業が必要とする手続きやサポートを提供することがあります。登録支援機関は、企業が外国人労働者を受け入れる際に必要なサポートを行うため、企業にとっては非常に重要な存在です。
登録支援機関になるメリット
登録支援機関になるメリットは以下のものです。
・ノウハウの習得
外国人労働者の受け入れに関する情報やノウハウを習得することができます。登録支援機関は、法務省のウェブサイトで公開されており、登録支援機関になることで、法務省から提供される情報や指導を受けることができます。また、登録支援機関同士で情報交換を行うことで、より効率的な受け入れ体制を構築することができます。
・人材の確保につながる
登録支援機関になることで、企業の人材確保にもつながります。外国人労働者の受け入れは、日本の労働力不足を解消するための重要な手段の一つとなっているため、外国人労働者の受け入れに関する情報やノウハウの習得は有利に働くでしょう。外国人労働者の受け入れに関する知識を持つことで、企業は外国人労働者の受け入れに積極的に取り組むことができ、人材確保につながることが期待されます。
・信頼の向上
登録支援機関になることで、企業の信頼性が向上することがあります。登録支援機関は、法務省によって厳しい審査を受けた上で登録されており、企業は法令遵守や適正な受け入れ体制の構築が求められることになります。そのため、企業が登録支援機関になることで、外国人労働者に対する適正な待遇や労働環境の整備が求められることとなります。これにより、企業の社会的責任を果たすことができ、企業の信頼性が向上することが期待されます。
登録支援機関申請をするための要件
登録支援機関申請をするためには、出入国在留管理庁長官の登録を受けなければなりません。ここでは登録支援機関申請をするための要件を解説します。
支援責任者および支援担当者の配置
登録支援機関には、支援責任者と支援担当者が必要です。支援責任者は、登録支援機関の運営に責任を持つ人物であり、支援担当者は、外国人労働者の受け入れに関する業務を担当する人物です。
受け入れ実績または相談事業の経験
登録支援機関には、外国人労働者の受け入れ実績や外国人への相談事業の経験が必要です。具体的には、個人または団体が、2年以内に就労資格を持った中長期在留外国人の受け入れ実績があること、または外国人留学生の就職支援などの経験があることが求められます。
外国人が理解できる言語での支援体制
登録支援機関は、外国人が理解できる言語での支援体制を整える必要があります。これには、通訳や翻訳サービス、専門的な言語サポートなどが含まれます。
特定技能外国人や技能実習生の問題回避
登録支援機関は、1年以内に特定技能外国人または技能実習生の行方不明者を発生させていないことを証明する必要があります。
費用負担の禁止
登録支援機関は、支援の費用を外国人本人に直接または間接的に負担させないようにする必要があります。
法令遵守と不正行為のないこと
登録支援機関は、過去5年以内に刑罰法令違反による罰則を受けていないこと、また出入国または労働に関する法令において不正または著しく不当な行為を行っていないことを証明する必要があります。
登録拒否事由の該当しないこと
登録支援機関は、登録拒否事由に該当しないことを証明する必要があります。具体的な登録拒否事由は、つぎの見出しで解説します。
拒否事由の具体例は?
拒否事由とは、登録支援機関の登録申請が受理されない要因や条件を指します。以下に、拒否事由の具体的な解説を示します。
支援体制不足
拒否事由の一つは、登録支援機関の支援体制が不十分な場合です。特定技能所属機関は、1号特定技能外国人の支援計画に基づいて支援を実施しなければなりません。もし支援体制が基準に適合していないと認められれば、登録申請は拒否される可能性があります。
具体的には以下の要点が該当する場合、登録支援機関にはなることができません。
・特定技能外国人が理解できる言語での情報提供体制が不十分な方
・出入国や労働に関する法律に違反し、罰金刑を受けた方
・特定技能外国人が理解できる言語での適切な相談体制を持っていない方
・特定技能外国人やその監督を担当する者との定期的な面談体制がない方
不正行為や違反行為
関係法律により刑罰を受けている場合には登録拒否事由に該当します。
・禁錮以上の刑に処せられた場合
・出入国または労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた場合
・暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた場合
・社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた場合
上記に該当する場合は、登録を拒否されます。
行為能力・役員等の適格性
申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの拒否事由もあります。例えば、登録の申請の日前5年以内に、出入国または労働関係法令に関する不正行為を行った場合には登録拒否事由に該当します。さらに、役員に暴力団員等がいる場合にも登録拒否事由に該当します。
法令遵守の欠如
登録支援機関は、出入国や労働に関する法令を遵守することが求められます。過去に出入国や労働に関する法令に違反した経歴がある場合、登録申請は拒否される可能性があります。
申請書若しくは添付書類の虚偽
登録申請をしても、申請書若しくは添付書類のうちの重要事項について虚偽の記載があったり、重要な事実が隠されていた場合にも登録を拒否されます。また、登録支援機関としての業務遂行能力に問題がある場合にも登録を拒否されることがあります。
登録支援機関の設立申請をするためには?
登録支援機関の設立申請を行うためには、要件を確認し、申請に必要な各種書類の準備を進めます。
申請に向けた要件の確認
登録支援機関の設立には、地域や国の関連法規に基づく要件を満たす必要があります。例えば、日本の場合は「特定技能の在留資格」に関する法令やガイドラインに基づいた要件を確認します。
申請に必要な各種書類の準備
登録支援機関の設立申請に必要な書類は、法務省のウェブサイトからダウンロードすることができます。必要書類には、設立申請書、支援責任者および支援担当者の履歴書、受け入れ実績や外国人への相談事業の経験を証明する書類、適正な業務遂行能力を証明する書類などが含まれます。下記に必要書類の具体例をあげます。
・手数料納付書: 収入印紙を貼付した手数料納付書を添付します。
・登記事項証明: 法人が申請する場合に提出します。法人の登記事項を証明する書類です。
・住民票の写し: 個人事業主が申請する場合に提出します。マイナンバーが記載されていない住民票の写しを提出します。本籍地が記載されているものを選択します。
・定款または寄附行為の写し: 法人が申請する場合に提出します。法人の定款または寄附行為に関する書類を添付します。
・役員の住民票の写し: 法人が申請する場合に提出します。マイナンバーが記載されていない役員の住民票の写しを提出します。本籍地が記載されているものを選択します。未成年の場合は本人と法定代理人の住民票の写しを提出します。未成年の法定代理人が法人である場合は、役員の住民票の写しに加えて登記事項証明書と定款または寄附行為の書類も必要です。
・登録支援機関の役員に関する誓約書: 支援計画の実施業務に直接的に関与しない役員がいる場合に提出します。役員の住民票の写しの代わりとなります。
・登録支援機関概要書: 登録支援機関の概要を説明する書類です。
・登録支援機関誓約書: 登録支援機関の責任と義務に関する誓約書です。
登録支援機関の登録申請を実施
書類が準備できれば、登録申請を進めます。
手数料納付書の作成と収入印紙の貼付を行いましょう。指定の様式に従い、申請手数料(28,400円分)の収入印紙を貼付します。また返信用封筒の準備も必要です。宛先を明記した角形2号封筒を用意し、簡易書留用の切手(440円分)を貼付します。
申請は持参または郵送で行います。提出先は地方出入国在留管理局または支局(空港支局および出張所を除く)です。
申請から約2か月で審査結果が通知されます。登録拒否事由に該当しない場合、登録支援機関登録簿に登録され、登録支援機関登録通知書が交付されます。登録の有効期間は5年間であり、有効期限の更新を希望する場合は登録の更新申請が必要です。(更新手数料:11,100円)登録拒否事由に該当する場合は、登録拒否通知書が交付されます。
登録支援機関は法務省のウェブサイトで公開されており、受理された届出を行った登録支援機関の情報が掲載されており、今後も順次追加される予定です。
まとめ
登録支援機関になるためには、一定の要件を満たし、設立申請を行う必要があります。法人であることや適切な資金・設備の保有、関連法令の知識、信頼性の確保などが要件となります。申請には書類の準備や手続きの確認が必要であり、申請書類や提出物の適切な作成が重要です。
登録支援機関の役割としては、特定技能1号の申請者に対して支援計画を作成し、実施することがあります。
スムーズな申請プロセスを進めるためには、専門家のアドバイスやサポートを活用することが有益です。登録支援機関に興味がある方は、プロに相談することを検討してはいかがでしょうか。